【問い】
以下の図の原点OとA(1,0)とB(0,1)に対して点Pが、以下の関係の位置にある。
OP:AP:BP=1:a:b
とする。 ここで、a≧0,b≧0,である。
このとき、点Pが存在するためのa,bに対する条件を求め、ab平面に図示せよ。
【解答の方針】
この問題の最善の解答は、ここをクリックした先のページに書きました。
それ以外の解答方法として、以下のようにOPをベクトルで与え、その点Pの座標をa,bであらわす方程式を立てることで計算できます。
そうすれば、ウェブサイトなどの通常の解答例で紹介されている、aを一定にしてP点の描く円とbを一定にしてP点の描く円との交差を判定して解を得るという煩雑な計算を避けることができます。
【解答】
以下のように、P点の座標PxとPyとaとbとの関係をあらわす方程式を設定します。
ここで、計算の見通しを良くするため、aやbの少し複雑な式はただちにαやβで置き換えて、方程式を極力単純な形であらわします。
αやβであらわせる式は、aとbであらわせる式です。
(これをしないと、計算の見通しが悪くなり、答えにたどりつくのがとても難しくなります)
次に、PxとPyをあらわすパラメータsを導入して、方程式①と②を同じ1つの式③であらわします。そして、PxとPyを式④と⑤のようにsであらわします。
(このように単純化していかないと、計算の見通しが悪くなり、答えにたどりつくのがとても難しくなります)
そして、sであらわしたPxとPyを式③に代入することでsの2次方程式が得られます。
(例外条件での解の計算)
割り算して式③を得た割り算した項α=(a2-1)とβ=(b2-1)とは、0で無いことが前提になっています。その項α=(a2-1)とβ=(b2-1)が0であった場合の例外条件の解は以下のように計算できます。
(1)ここで、αやβの一方が0で他方が0で無いときは、他方のパラメータに関しては③が成立しますので、以項の計算でパラメータの条件が得られて解が得られます。
(2)また、αとβの両方が0の場合、それは、a=1,b=1を意味し、
そして、式④と⑤から得られるPx=1/2,Py=1/2という解が存在します。
更に式をパラメータγを使って単純化します。
αやβやγであらわせる式は、aとbであらわせる式です。
そして、sの2次方程式のsの解の式を平方完成により計算します。
こうして平方完成することで、sをα、β、γから求める解の式ができあがりました。このsの解を式④と⑤に代入すると点Pの座標PxとPyをα、β、γであらわす式が得られます。
sが実数解を持つとき、PxとPyが実数であらわせます。点Pの座標が実数になる必要十分条件はsが実数解を持つことです。そして、sが実数解を持つための必要十分条件はq2≧0です。
その、q2≧0となる条件を以下で計算します。
以下の計算は技巧的ですが、この技巧が無ければこの問題は解けません。
この計算技術を必ずおぼえてください。
この計算のポイントは、
(1)(α+1)(β+1)の項ができるように、αβの項を残して割り当てること。
(2)α+1がa2であり、β+1がb2であることを良く意識すること。
これで、q2を因数分解する準備が整いました。
以下で、これを因数分解して、aとbに必要な条件を求めます。
上の図で、aとbが正の領域が解の条件(a≧0,b≧0)の範囲です。
この範囲には、例外条件で得た解の、(a,b)=(1,1)という解も包含されています。
(解答おわり)
(補足)
ここで、q2の式はαとβであらわしてあったので比較的に因数分解がしやすくなっていました。この式をaとbだけであらわして因数分解する場合は、以下の式になります。この場合の解き方のコツは、(a2+b2)の関数で大部分の項をあらわすようにすると、解けます。
(補足2)
q2の式をaとbだけであらわして因数分解する場合は、以下のようにしてa2の2次式に形を整理して解くこともできました。
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