大学への数学Ⅲ&Cの勉強
積分の応用
【解説】
傘形積分により、軸の回りに平面図形を回転させた立体の体積を計算する高度な積分技術が教えられています。
しかし、インターネットで検索すると、その手法で問題を解くと減点されると注意がされているようです。
傘形積分を勉強することはほめられるべきことと考えますが、現実には、その知識が試験問題の解答ではマイナス?になってしまうようです。
傘形積分に言及して問題を解いても、その傘形積分を表現する数学の言葉が教えられず。傘形積分の手法が数学の言葉で記述されないので、傘形積分の概念を用いた解答が理解されないというのがこのマイナス問題の原因のようです。
傘形積分をあらわす数学の言葉は、高校生には教えないことにしているタブーの一種と考えられます。
傘形積分を表現する数学の言葉(タブー?)は、「2重積分」です。
2重積分は大学生以上では常識なので、それほど強いタブー(禁じ手)では無く、高校生が一旦2重積分を覚えてしまえば、それを高校の試験問題で使っても、また、大学の入学試験で使っても、合格点をもらえると思います。
そのため、以下では、傘形積分の計算を、大学生以上では常識になっている数学の言葉「2重積分」を使って計算する解答例(このように書けば合格点をもらえると思う)を示します。
【例題】
放物線y=x2と直線y=xとで囲まれた図形を、直線y=xのまわりに1回転して得られる立体の体積を求めよ。
(解答はじめ)
求める立体の断面を上図に示す。放物線y=x2と直線y=xとで囲まれた領域を、縦方向と横方向の細かい格子に分割する。その格子で分割された1単位を微小領域①とする。
微小領域①を断面に持つ細いドーナツ状の立体を縦方向と横方向につないで、その断面が放物線y=x2と直線y=xとで囲まれた領域を埋めるように集合させる。その集合の体積Vは、以下の式のように縦方向に積分した結果を更に横方向に積分する式(2重積分の式)であらわせる。
(2重積分とは)
2重積分とは、1回目の積分変数で計算した後に2回目の積分変数で計算する積分です。すなわち、1回目の積分計算の結果が2回目の積分計算で使われます(以下の最初の式のような形であらわされます)。2重積分では、1回目の積分で幅dxのy方向の細長い範囲を積分し、その積分範囲を2回目の積分で変数xの微小量のdxだけずらしつつ積分することで全領域を過不足無く網羅して積分するようにします。そのために、1回目の変数yによる積分計算では、2回目の積分変数xを一定値に保って計算します。いわば、以下の最初の式では、括弧の右側の外に付けたdxが、括弧の中の式をxを変えないように金縛りにかけています。
(積分の下限と上限については、高校生の間は、問題を難しくしないために、xもyも、小さい値から大きい値まで積分する場合だけを考える)
次に、括弧の中のyによる積分を 、r による積分に変換する。
その変換の際に、微小量dyをdrに変換する際に掛け算するべき係数を求める必要がある。
その括弧中でのyによる積分では、xの値を一定の値に固定して積分計算している。そのため、rによる積分に変換する場合でも、xの値を一定に保ちつつ r で積分する。
よって、以下で、xを一定に保つ条件を守ってyが微小量dy変化する場合の、xを一定に保つ条件を守って半径 r が変化する微小量drを計算する。
|r|=|axx+ayy|
であるので、
|dr|=|(axx+ay(y+dy))-(axx+ayy)|
= |ay・dy|
になる。それゆえ、
|dy|=|dr/ay|
の関係がある。よって、
|dy|は|dr/ay|
に置き換えて積分することができる。
(高校生の間は、問題を難しくしないために、rについての積分についても、rが小さい値から大きい値まで積分する場合だけを考える。この積分では、yが増すとrが減るので、rの積分範囲は、yが最大になった場合のrの値=0からr2までrで積分する。)
さらに計算を続けます。
(この計算の意味の説明)
(以下の説明文と図とは解答用紙に書かないでも良いです)
ここまでの計算は、微小領域①を回転させた立体をy方向に積み重ねた立体の体積を計算しています。すなわち、以下のような形の薄い傘の体積を計算しています。
(傘を軸を中心にバウムクーヘン積分すると、円板の体積になる)
ここで、2重積分のパラメータ変換によって、
|dy|=|dr/ay|
という関係があり、yによる積分を r による積分に変える、積分のパラメータを変換する場合に出てくる係数(1/ay)が得られます。この係数を用いて、厚さdxの傘の体積が、厚さ dx・|1/ay|の円板に等しくなる、という関係があります。
このパラメータを変換する際に現れる係数(1/ay)は傘形積分において非常に重要です。
2重積分の計算において、この係数を間違えたら、計算手順の点数がもらえないと思います。傘形積分の概念だけを用いて計算する際にも、この係数を間違えたら、計算手順の点数がもらえないと思います。
さらに、計算を続けます。
(解答おわり)
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積分の応用
【解説】
傘形積分により、軸の回りに平面図形を回転させた立体の体積を計算する高度な積分技術が教えられています。
しかし、インターネットで検索すると、その手法で問題を解くと減点されると注意がされているようです。
傘形積分を勉強することはほめられるべきことと考えますが、現実には、その知識が試験問題の解答ではマイナス?になってしまうようです。
傘形積分に言及して問題を解いても、その傘形積分を表現する数学の言葉が教えられず。傘形積分の手法が数学の言葉で記述されないので、傘形積分の概念を用いた解答が理解されないというのがこのマイナス問題の原因のようです。
傘形積分をあらわす数学の言葉は、高校生には教えないことにしているタブーの一種と考えられます。
傘形積分を表現する数学の言葉(タブー?)は、「2重積分」です。
2重積分は大学生以上では常識なので、それほど強いタブー(禁じ手)では無く、高校生が一旦2重積分を覚えてしまえば、それを高校の試験問題で使っても、また、大学の入学試験で使っても、合格点をもらえると思います。
そのため、以下では、傘形積分の計算を、大学生以上では常識になっている数学の言葉「2重積分」を使って計算する解答例(このように書けば合格点をもらえると思う)を示します。
【例題】
放物線y=x2と直線y=xとで囲まれた図形を、直線y=xのまわりに1回転して得られる立体の体積を求めよ。
(解答はじめ)
求める立体の断面を上図に示す。放物線y=x2と直線y=xとで囲まれた領域を、縦方向と横方向の細かい格子に分割する。その格子で分割された1単位を微小領域①とする。
求める立体は、微小領域①を直線y=xのまわりに1回転して得られる細いドーナツ状の立体(下図)を集合させた立体である。
(2重積分とは)
2重積分とは、1回目の積分変数で計算した後に2回目の積分変数で計算する積分です。すなわち、1回目の積分計算の結果が2回目の積分計算で使われます(以下の最初の式のような形であらわされます)。2重積分では、1回目の積分で幅dxのy方向の細長い範囲を積分し、その積分範囲を2回目の積分で変数xの微小量のdxだけずらしつつ積分することで全領域を過不足無く網羅して積分するようにします。そのために、1回目の変数yによる積分計算では、2回目の積分変数xを一定値に保って計算します。いわば、以下の最初の式では、括弧の右側の外に付けたdxが、括弧の中の式をxを変えないように金縛りにかけています。
(積分の下限と上限については、高校生の間は、問題を難しくしないために、xもyも、小さい値から大きい値まで積分する場合だけを考える)
次に、括弧の中のyによる積分を 、r による積分に変換する。
その変換の際に、微小量dyをdrに変換する際に掛け算するべき係数を求める必要がある。
その括弧中でのyによる積分では、xの値を一定の値に固定して積分計算している。そのため、rによる積分に変換する場合でも、xの値を一定に保ちつつ r で積分する。
よって、以下で、xを一定に保つ条件を守ってyが微小量dy変化する場合の、xを一定に保つ条件を守って半径 r が変化する微小量drを計算する。
|r|=|axx+ayy|
であるので、
|dr|=|(axx+ay(y+dy))-(axx+ayy)|
= |ay・dy|
になる。それゆえ、
|dy|=|dr/ay|
の関係がある。よって、
|dy|は|dr/ay|
に置き換えて積分することができる。
(高校生の間は、問題を難しくしないために、rについての積分についても、rが小さい値から大きい値まで積分する場合だけを考える。この積分では、yが増すとrが減るので、rの積分範囲は、yが最大になった場合のrの値=0からr2までrで積分する。)
さらに計算を続けます。
(以下の説明文と図とは解答用紙に書かないでも良いです)
ここまでの計算は、微小領域①を回転させた立体をy方向に積み重ねた立体の体積を計算しています。すなわち、以下のような形の薄い傘の体積を計算しています。
ここで、2重積分のパラメータ変換によって、
|dy|=|dr/ay|
という関係があり、yによる積分を r による積分に変える、積分のパラメータを変換する場合に出てくる係数(1/ay)が得られます。この係数を用いて、厚さdxの傘の体積が、厚さ dx・|1/ay|の円板に等しくなる、という関係があります。
このパラメータを変換する際に現れる係数(1/ay)は傘形積分において非常に重要です。
2重積分の計算において、この係数を間違えたら、計算手順の点数がもらえないと思います。傘形積分の概念だけを用いて計算する際にも、この係数を間違えたら、計算手順の点数がもらえないと思います。
さらに、計算を続けます。
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