《目次》行列演算からベクトル解析まで
【解説】
(X,Y)の座標であらわすベクトルを、左回りに角度θ回転させて、(X’,Y’)の座標であらわすベクトルにする変換は以下の式になります。
X’=(cosθ)X-(sinθ)Y
Y’=(sinθ)X+(cosθ)Y
この変換の式のおぼえ方は、上の図を思い描いて、図から、
X座標成分のみがあるベクトルを回転させたベクトルのY’座標が(sinθ)・Xであること。
Y座標のみがあるベクトルを回転させたベクトルのX’座標が(-sinθ)・Yであること。
を想像する。
次に、それ以外は、係数がcosθの項を加えることで、回転変換の式ができあがります。
(補足)
三角関数の加法定理を知らないと回転行列が導き出せないという誤解が流通しているようですが、そのようなことはありません。
X座標成分のみがあるベクトルを回転させたベクトルのY’座標が(sinθ)・Xである。
X座標成分のみがあるベクトルを回転させたベクトルのX’座標が(cosθ)・Xである。
そのため、回転行列Aの要素は、
A11=(cosθ)
A21=(sinθ)
Y座標成分のみがあるベクトルを回転させたベクトルのX’座標が(-sinθ)・Yである。
Y座標成分のみがあるベクトルを回転させたベクトルのY’座標が(cosθ)・Yである。
そのため、回転行列Aの要素は、
A12=(-sinθ)
A22=(cosθ)
こうして、加法定理を使わずに、回転行列の全ての要素がわかります。
この回転行列が全てのベクトルを左回りに角度θ回転することの証明:
(1)全てのベクトルはX方向のベクトルとY方向のベクトルに分解されます。
(2)そして、その各々のベクトルが同じ角度θ回転します。
(3)そのため、その成分を合成したベクトルもまた角度θ回転します。
(証明おわり)
リンク:
複素数平面での座標回転を応用した例
追加講:三角形の面積と行列式
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