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2014年2月16日日曜日

美しい数学:ベクトルの内積の不等式

大学への数学Ⅲ&Cの勉強

【覚えてください】
 上図で、ベクトルの内積の値は所定の範囲に限られることを強く意識してください。
 ベクトルの内積を用いた方程式の解の存在条件がこの不等式になります。

【問題】
 固定ベクトルaに対して、任意のベクトルpに対して以下の方程式を成り立たせるベクトルbの解が必ず存在するものとする。
 この条件を満足するベクトルaの範囲を求めよ。


【解答】 


 この式の解が存在するためのベクトルaの範囲は上の式で与えられる半径1以下の円内の点です。
(解答おわり)

 この問題の出題意図は、以下のように考えられます。
 ベクトルの問題に限らず、数学の複雑な問題はコンピュータを利用して解きます。
 そのとき、コンピュータを使用する人間に求められる大切な能力は、
(1)コンピュータが正しく答えを出せるような、コンピュータが解ける問題をコンピュータに与えているかどうかの判断力。
(2)コンピュータの出した答えが間違っていないか、その答えの概要を予測する能力。
です。
 この問題は、その「答えの予測力」を問う問題です。
 出題者の意図通りに、「答えの予測力」を示した解答を書くようにしましょう。

 ベクトルaが半径1の円の外にある場合における「答えの予測」も、以下のように予測できるようになりましょう。

ベクトルaが半径1の円の外にある場合は、上の式のように、解を与えるベクトルpが制限されます。この条件が満足されないベクトルpに対してはベクトルbをどのように選んでも方程式を満足させることができず、解が存在しません。

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