以下のように、1つ目の対角行列Bと、ある行列Aの積の行列と、積が交換された、その行列Aと2つ目の対角行列Cの積の行列が等しいという条件が与えられているとする。
この式を計算すると以下の式になる。
この場合に、これらの行列の要素が以下の様に特定の値に制限される。
この関係を、仮に、
「2つの対角行列とある行列の積の交換の定理」
と名づける。
行列の問題を解く際に、この定理の条件を与える式が得られたら、その式の解は、以下のように解けることを覚えておくと便利だと思う。
(解の解説)
上の行列の方程式から、以下の関係が得られる。
この解1以外の解については、以下のように、式1から式4により変数が等しくされる関係を図に書いて考える。
(解8)行列Aが0行列であって、対角行列BとCは任意の行列であるという自明な解もある。
この問題では、以上のように、8個の場合分けされた解が得られる。
これらの解の特徴は、行列Aが自由に設定できる場合は(解1)の場合だけで、その条件は、行列B=C=単位行列の定数倍のときである。
行列B=C=単位行列の定数倍という条件が無い場合には、行列Aの少なくとも2つの要素が0になる。
(補足)
この問題の一部として、以下の場合が重要です。
すなわち、以下のように、単位行列の定数倍以外の対角行列Tと交換可能な行列Aを考える。
TA=AT
この行列の解は、上の解7であって、次の式のように行列Aも対角行列になります。
このように、単位行列の倍数以外の対角行列と積が交換可能な行列は、対角行列のみです。
このことは、積が交換可能な行列は、その固有ベクトル(の方向)が同じであるという原理に結びついています。単位行列の倍数以外の対角行列の固有ベクトルは(1,0)と(0,1)だからです。
ちなみに、2行2列の行列に限っては、行列Tと交換可能な行列は、単位行列Eを用いて、cT+dEであらわせます。Tが対角行列の場合、cT+dEは対角行列になるから、対角行列Tと交換可能な行列は対角行列であると言えます。しかし、その話は2行2列の行列に限って成り立つ話です。一方、交換可能な行列は固有ベクトルが同じという原理は、n行n列の行列全てで成り立ちます。
以下のように、対角行列と回転行列の積の行列と、積が交換された、回転行列と対角行列の積の行列が等しいという条件が与えられているとする。
この式を計算すると以下の式になる。
この場合に、これらの行列の要素が以下の様に特定の値に制限される。
この関係を、仮に、
「対角行列と回転行列の積の交換の定理」
と名づける。
行列の問題を解く際に、この定理の条件を与える式が得られたら、その式の解は、以下のように解けることを覚えておくと便利だと思う。
あるいは、この形の問題は以下の様に多くの解(選択肢)を持つという知識だけでも有用と思う。
上の行列の方程式から、以下の関係が得られる。
(解7)回転行列以外の行列が0行列であって、回転行列は任意の行列であるという自明な解もある。
この問題では、以上のように、13個の場合分けされた解が得られる。
(補足)
この解のうちで、解1-1は、α=θであって、
(回転行列θ)(単位行列Eの定数倍)=(単位行列Eの定数倍)(回転行列θ)
の形をしています。
実は、 回転行列と積が交換される行列Aについては、すなわち、
(回転行列θ)(行列A)=(行列A)(回転行列θ)
を満足する行列Aは、
(単位行列を含む)回転行列(の定数倍)だけです。
後に学ぶことですが、積が交換可能な行列は、「固有ベクトル」を共有する行列のみであり、回転行列は共通する固有ベクトルを持つからです。
大学への数学Ⅲ&Cの勉強
行列と連立1次方程式
【解説】
双曲線は以下のようにして円に変換できます。
(これは、1次変換ではありませんが、便利な変換です。)
このように(X,Y)座標を(X’,Y’)座標に変換すると、双曲線が円に変換されて、(X’,Y’)は円を描きます。
この座標変換の性質を以下のように調べると、以下のように、この座標変換は、直線は曲げずに直線のままに変換することがわかります。
このように、この変換は双曲線を円に変換し、直線は直線のままにします。
また、この変換の逆変換は、円を双曲線に戻すとともに、直線は直線のままに変換します。
そのため、円で成り立っていた以下の図の定理が、
円が双曲線に変換されるので、
双曲線でも成り立つことがわかります。
上の図の定理とは、
「点A(極)に対する極線PQ上の点Bを極にした極線RBは、点Aを通る。」
という定理です。
点A(極)に対する極線とは、点Aから円に引いた2つの接線による接点を結ぶ直線のことを極線と呼びます。
(この定理の証明は、ここをクリックしてジャンプする)
リンク:
追加講:三角形の面積と行列式
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