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2011年8月31日水曜日

楕円と円の接点

「大学への数学ⅢC」の勉強

【研究問題】
座標原点を中心にする楕円
と、円A
とが接する接点Pにおける接線を、 
接点Pから円Aの中心に向かう単位ベクトルC(x,y)に垂直な直線の式、
であらわされるものとした場合に、
(1)その接線と楕円の中心の距離mの値を求めよ。
(2)円Aの中心の座標A(x,y)の値をx,y,m,rであらわす式を求めよ。

(解答)
以下では、この問題を、単位ベクトルC(x,yの値が先に分かっている場合から始めて解く。

楕円
に接する直線は、単位ベクトルC(x,y)に垂直な直線であり、接点:
での接線の式は、楕円の接線の公式により、
である。
この接線の式が式3と等しいとして、以下の式4を導く。
式4の座標値を式3に代入して以下の計算をすることで式5が得られる。
式5により、楕円の中心と直線との距離mをxとyから計算することができる。
mの値は、正の値と負の値との2つです。
式3のmが、この式5で得られる。

円Aの中心の座標A(x,y)の値は以下の式であらわせる。
 
このように、最初に、楕円への接線に垂直な単位ベクトルC(x,y)がわかれば、他のパラメータが簡単に計算できる。

 しかし、他のパラメータから、,yを計算しようとすると簡単ではありません。
例えば、xを他のパラメータから計算する式を、以下で求めてみます。
式6aを変形する。

mに式5を代入してmを消去する。
単位ベクトルCの成分の関係式
を用いて、yをxであらわす。
この式はに関する4次方程式である。
すなわち、
を他のパラメータから計算しようとすると、4次方程式の解を求める問題に帰着する。
この4次方程式の解は簡単には解けない。その解を得るには、EXCEL等を利用して近似解を計算するしかない。
よって、
を他のパラメータから計算する問題は入学試験などの試験には出題されない。
(たまたま簡単に解ける4次方程式になる場合だけが試験に出題され得るだろう。)

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2011年7月14日木曜日

楕円と直線の接点

「大学への数学ⅢC」の勉強

【問1】座標原点を中心にする楕円

と、直線

とが接する場合のその接線と楕円の中心の距離mの値を求めよ。



(以下では、この問題を解くための、覚え易い形に変形した公式を示す)
(難しい形の公式は、単純な形に置きかえて覚え易くするのが数学のコツです。)

この問題は、円の場合は、以下のようにして解けました。

この直線の式のxとyの係数は単位ベクトルであらわしています。
検算してみると、

になるので、このベクトルが単位ベクトルであることがわかります。

その直線の式において、(単位ベクトル)と(ベクトル(x,y))との内積は、その直線の座標原点からの距離をあらわします。
(その理由は単位ベクトルと直線上の点(x,y)の位置ベクトルの内積は、直線上の点のその単位ベクトル(直線に垂直)への正射影の長さになるからです。また、直線に垂直な単位ベクトルへの、座標原点と点(x,y)を結ぶベクトルの正射影の長さは、直線と座標原点との距離だからです。)

すなわち、単位ベクトルと直線上の点(x,y)の位置ベクトルの内積をあらわす左辺の式に等しい右辺の式のmが、
直線の座標原点からの距離です。
その距離mが円の半径に等しい場合が、
単位ベクトルCに垂直な直線が円に接します。

【楕円の場合の、傾きが定まっている直線が楕円に接する条件】
 楕円の場合を、円の場合に対応させて、結論だけを整理して書くと以下の図のようになります。

【上の図の式の意味の説明】
 単位ベクトルC(g,h)に垂直な直線が楕円

に接する場合の、

楕円の中心と直線との距離mを計算しました。
その計算の結果、単位ベクトルC(g,h)のxの項gとyの項hに関して、
=(g・a)+(h・b)  (式1)
になりました。
mの値は、正の値と負の値との2つです。
その計算結果のmを使って、楕円に接する直線は以下の式になります。
g・x+h・y=m    (式2)

この式を(hが0でない場合に)変形した以下の式が参考書に公式として書いてありますが、
その公式を覚えにくい人は、上の式1と2を公式として覚えて使ってください。
(他の参考書の公式)


なお、式2の直線が楕円に接する接点の座標は、
A(g・a/m,h・b/m)   (式5)
と、
A’(-g・a/m,-h・b/m) (式6)
です。

【楕円の接線の良く知られた公式】
また、楕円上の点A(p,q)で楕円に接する直線の公式は、以下の式です。
p・x/a+q・y/b=1   (式7)
この公式は、円の接線の公式と同様に、
楕円の式のx又はyの2乗の項の一方のみx およびyを残した式です。

【式1を式7から導出する方法】
先ず、この式7を、単位ベクトルのxの項gとyの項hを用いた式2の形に変形します。
式7を、xとyの係数が単位ベクトルC(g,h)の要素であらわされる式(その式の右辺の定数項の値はmになる)に変形すると、そのgとhは以下の式になります。
g=(p/a/√{(p/a(q/b} (式8)
h=(q/b/√{(p/a(q/b} (式9)
すなわち、式2の左辺は式7の左辺を、
s=√{(p/a(q/b}   (式10)
で割り算した形の式です。
そのため、式2の右辺のmは、式7の右辺の1を式10のsで割り算した以下の式になります。
m=1/√{(p/a+(q/b
=1/{(p/a+(q/b
={(p/a)+(q/b)}/{(p/a+(q/b
この式は、式8のgと式9のhを使ってあらわすと、以下の式になります。
=(g・a)+(h・b)  (式1)
この式は、求める式1です。
このように、式7から式1が導けました。

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